コアミア
名称 | コアミア/Cormyr |
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首都 | スーゼイル |
元首 | エイズーンV世 |
人口 | 1,360,800(人間85%、ハーフエルフ10%、エルフ4%) |
政治形態 | 君主制 |
宗教 | オグマ、シルヴァナス、セルーネイ、タイモーラ、チョーンティーア、デニーア、テンパス、ヘルム、マラー、メリル、ラサンダー、リーラ、ワキーン |
主たる輸入品 | ガラス、象牙、香辛料 |
主たる輸出品 | 防具、象牙の彫り物、布、石炭、食料品、ソード、材木 |
属性 | 秩序にして善、秩序にして中立、中立にして善 |
説明文 | コアミア王国は1,000年以上前に建設された。この国は啓発された君主、良く働く市民、地理的優位性の恩恵を受けている。コアミアは山、森、悪の人型生物の居住地に囲まれた、文明を持つ地域だ。良く訓練された軍隊と、政府に認可された呪文の使い手のグループの活動で知られている。コアミアは良質の食料品を産し、人々は正直で、奇妙な神秘があり、世界の他の地域と盛んに接触している。コアミアは近年、次のような災厄に見舞われた。すなわち貴族家の裏切り、ゴブリンとオークの軍隊、飢饉、エインシャント・レッド・ドラゴンによる略奪、国民に愛された君主の死。現在コアミアは、その領地の維持に悪戦苦闘していろ。都市は廃嘘となり、莫大な数の悪の人型生物が今も田舎をうろついている。この国は、王冠を守り敵と戦うを潔しとする有能な人材を必要としているのだ。 |
出典 | FRCS/p131 |
生活と社会
主要な地勢
重要地点
(巨大都市 45,009)
王国首都であり、コアミアで最も豊かな都市。スーゼイルには、この国の重要貴族と商家が住んでいる。この都市の中央には王宮がある。その周囲には庭園と、王国宮廷の建物群がある。この都市には、次のようなものがある。すなわち、パープル・ドラゴン軍の広大な兵舎、家畜置き場、造船所、何ダースもの宿屋、酒場、娯楽場。最も重要な寺院はタイモーラ寺院だが、リーラ、オグマ、マラー、メリル、テンパス、ワキーンのほこらもある。スーゼイルの有名な象牙職人たちは、たくさんの地域からエキゾチックな象牙を輸入し、装飾を凝らして、ものすごい値段で輸出している。この都市の領主はサヴァー(秩序にして善、男性の人間ファイター10/パープル・ドラゴン・ナイト5)だ。彼は自イ言たっぷりの忠実な男であり、パープル・ドラゴン軍の司今官でもある。エイズーンの死以降、パープル.ドラゴン軍とウォー・ウィザードの存在は、さらに良く目に見えるようになった。なぜなら王女摂政は、一般人の安全を保証したいと願っていると同時に、反対貴族が煽動する反乱や一揆に備えたいと願っているからだ。彼女は王位継承者とともに、定期的に大衆の前に姿を表している。人々の役に立つためであるとともに、彼女が自分の生命もコアミアの未来も恐れてはいないことを示すためでもある。
(小さな町 954)
イヴニングスターは、交差点にできた定住地だ。近くに住む農民、その農民の商品に依存している少数の職人、そして通過する冒険者が、この町を利用している。テッサリル・ウィンター領主(混沌にして善、女性の人間、ウィザード12/ファイター5)は、機敏で有能な支配者だ。この村にはラサンダーの寺院があるが、それよりも近くに遺跡がたくさんあることで主に知られている。なかでも特筆すべきは"イヴニングスターの幽霊屋敷"だ。この地域では、トレッシムとして知られている翼を持った猫が良く見られる。こいつを使い魔として持ちたいと考えている者たちが、イヴニングスターを良く訪れる。テッサリルもトレッシムの使い魔を持っている。マイリーキーのクレリックが作成したポータルが、ここにある"青葉"の木と、スーゼイルの王宮の庭園にある"青葉"の木を結んでいる。ここではのんびりとした生活が営まれていたが、マイアミーン・ラルロによってそれは妨げられた。彼女はこの都市を、エアラペルを奪回するための戦いに備える召集拠点として使用したのだ。それ以降この地は、時々発生するオークによる略奪から身を守らなければならなくなった。
(小さな町 1,170)
この共同体には、貴族家のワイヴァーンスパー家とビサンダーソード家が住んでいる。彼らはこの町の南西の端にある、いくつかの邸宅に住んでいる。高そうな衣類に身を包んでいる者や、傲慢な態度を示している者すべてに対して敬意を表するよう、外来者たちは警告を受ける。なぜなら彼らは強力であり、それを証明するのをまったく恐れないから。イマーシーは交易路の中間地点だ。宿屋の五良魚亭では、コアミア中で有名なエールが生産されている。ここには寺院はないが、セルーネイの クレリックたちは広大な屋タトほこらを維持している。イマーシーの領主はカルスピーア(秩序にして中立、男性の人間、ローグ3)だ。領主になる前は、前の領主の布告官だった。
(小さな町 1,980)
(小さな都市 6,661)
この都市は、振動する緑色のスレート屋根で知られている。ウェイルーンば、ワイヴァーン川沿いのフェリー交通とともに発展してきた。屋根の色は、この町の北にある、モンスターがうろつく大きな採石場で切り出される石に由来している。地元民の大部分は職人であり、ポート、籠、帆、陶器を作っている。領主はサーブ・レッドベアード(中立にして善、男性の人間、ファイター9)。頑固な男で、さまざまな点で宮廷の政策に反対しているが、地元民は彼の態度を好ましく思っている。パープル・ドラゴン軍がここへやって来ないのは、彼の態度が原因であろうと地元民は推測している。この町はチョーンティーアの寺院とシルヴァナスのほこらがある。
(巨大都市 30,606)
ゴブリン戦争の間、エアラペルは魔法の力を借りてスーゼイルに疎開していた。そしてオークとゴブリンの軍隊が、数ケ月の間この都市を占領していた。商社の拠点は略奪され、殺害されなかった傭兵グループは他の都市へ逃れ、タイモーラの大寺院は燃やされた。同様にチョーンティーア、デニーア、ヘルム、リーラ、テンパス、ワキーンのほこらも燃やされた。"閣下夫人"として知られているエアラベルの領主マイアミーン・ラル(中立にして善、女性の人間、タイモーラのレンジャー12)は、彼女の都市を取り戻すと誓った。彼女は左腕を失ったが、強力な魔法によって再生した。彼女は数ヶ月間に渡って、その目的のために傭兵、レンジャー、斥候、冒険者パーティを集め、エアラペルからオークを追い払った。
オークはハラック森林、王森、東部嵐角山脈、そしてエアラベルの北にある平原に逃げ込んだ。開けた農地から人型生物を追い払うのは簡単かもしれないが、森から一掃するのは造かに困難であろう。
ストーンランズの危険から、コアミアの北方の国境を守るだめに建設された。クラッグ城にはパープル・ドラゴン軍500名と、5人のウォー・ウィザードからなる分遣隊が駐留している。頑固な指揮官ブレン・トールソード(秩序にして中立、男性の人間、ファイター10)は、頻繁に教練と査察を行なっている。ここでは、冒険者は歓迎されない。ここにやって来た冒険者は、可及的速やかに追い払われる。
(小さな町 1,800)
近くに雷山脈があることから名付けれられた。ここは伐採と漁業の可だ。この町は、ハラック森林を探検する冒険者たちの憩いの場所となった。ノームの錬金術師のグループがここで店を開いており、冒険者たちに錬金術アイテムを売って莫大な利益を上げている。酸、足留め袋、そして(もちろん)雷石が人気だ。パープル・ドラゴン軍100名からなる駐留部隊が、センビアヘ続く峠を警備している。そしてたまに、モンスターに追い立てられて森から逃げてくる冒険者を救助しなければならなくなる。この町には領主がいないが、パープル・ドラゴン軍がコアミアの法を施行している。その指揮官はファリル・ラヘラルスン(秩序にして善、男性の人間、ファイター7/レンジャー3)
(9002、現在は無人)
この都市は長年に渡ってコアミアの占領下にあり、昨年正式に併合された。かつては、雷山脈を通る3つの峠のなかの1つを見下ろす価値の高い地域だったが、1372DR年マータル月に正体不明の攻撃を受けた。現在残っているのは暗い窪んだ土地で、影と闇が満ちている。外来者を近づけないために、パープル・ドラゴン軍50名からなる部隊が近くに駐屯している。なぜなら、この地域に入った者はだんだんと霞んでいき、最後には消滅して二度と戻るて来ないからだ。
ウォーターディープのウィザードの3人組が、距離を置いてこの場所を研究しているが、今のところ報告されているのは、この地域で強力な魔法が大量に使用されたということだけだ。それによって"織"が激しく妨げられたため、それ以上調査する能力が激しく制限されているのである。この奇妙な廃嘘の回りを通る非舗装道路が整備されたため、キャラバンはこの地域を迂回することができる。
(小さな町 936)
この共同体は、王森の中にある。ここには農民と木彫り師が住んでいる。生きている木の伐採は数年前から禁止されている。この村の周囲を防御柵が囲んでいる。この村は現在、エアラベルから追い払われたオーク略奪者たちの脅威にさらされている。デッドルークの領主であるシオンバー(中立にして善、男性の人間、ファイター8)は、人々の気持ちを読み取る能力を持っており、全コアミア人を見知っていると評判だ。デッドルークの町タトれには双方向のポータルがあり、スーゼイルにある王国宮廷の入りロの近くに盤がっている。
(巨大都市 36,007)
コアミアで2番目に大きな都市。マーセンバーは一連の島を橋で繋ぎ、運河を切って作られた港湾都市だ。元々は沼地に建設されたのだが、発展するに従い周辺の地勢を取りこんでいった。しかしながら、今でも時々沼地のような匂いがしている。この都市は"香辛料の都"として知られている。なぜなら地元の商社が、遥か彼方の国々から香辛料を運んでくるから。この都市は交易に依存しているのだ。たくさんの小さなポートが運河を航行している。そして法を免れるために、たくさんの取り引きが秘密裡に行なわれている。ここには、平坦で固い地面はほとんどない。広く舗装された土地を持っているのは金持ちだけだ。そのような土地は通常、建物の上にある。マーセンバーには、大きな寺院が1つしかない。ラサンダー寺院だ。但しタイモーラ、ウンパーリー、ワキーンの小さなほこらはある。前の領主が早世した時、ブレッドリン・スコーリル(秩序にして善、男性の人間、ファイター9)がこの都市の領主となった。12隻の船からなる、帝国海軍の分遣艦隊がここに駐留している。
地域の歴史
太舌の昔、雷山脈と嵐角山脈の間にあった"森林王国"には、ドラゴンが住んでいた。そのなかには"真の"パープル・ドラゴンである強力なワーム、ソーグラリモーゴラスも含まれていた。ここに定住したエルフは、ドラゴンと交戦状態となった。この抗争は、"偽りの名誉"決闘によって終結した。この決闘でエルフの"笏杖の王"イリファー・ネルヌーヴがソーグラーを打ち負かしたのだ。こうしてドラゴンの代わりにエルフが住み着いたわけだが、最終的にはインピルターとチョンダスの人間が、後にコアミアとなる海岸地帯からエルフを追い払った。
エルフと人間の抗争が激化し、農場を作るために人間が森を切り開くと、最も賢いエルフたちは、人間の侵入者を止めたり打ち負かしたりすることはできないという結論に達した。定住者オンデス・オバースカイアが最も高い影響力を持つ人間の指導者であると判断したエルフたちは、人間のウィザードであるベアローブル・エサー(エルフのアリー・ダハストの配偶者)をエージェントに選び、彼を通してオンデスを導いた。こうしてエルフは定住の速度を遅くし、平和を維持し、できるだけ森を残そうと考えた。オンデスの農場は、最終的に大都市スーゼイルになった。この都市の名前はオンデスの妻スーザラに由来している。皮肉なことに彼女は、辺境の生活とコアミアをあまりにも嫌悪していたため、最後には彼の元を離れてしまった。
オンデスは公正で正直な男だった。ベアローブルはエルフ社会を離れるのをいやがったが、有名なコアミア王室魔道士会の最初のメンバーになった。オンデスが死亡すると、エルフたちは彼の息子であるフェアルサンを彼らが作った人間の国の最初の王になるよう説得した。こうして開く扉の年(26DR)、コアミアが建国された。
ベアローブルと彼の後継者たちの努力と、コアミア王家の力と知恵により、1000年以上に渡ってオバースカイア家は玉座を維持した。この間"森林王国"は繁栄し、強大になり、いくつかの侵略を生き延び、エスパリン国とオーヴァ国を併合し、今でも野蛮なストーンランズの領有を主張し、エアラベル市とマーセンバー市で繰り返し発生した反乱を粉砕した。幾度にも渡って玉座は挑戦され、また内乱が発生したが、賢く先見的なウィザードたちの支援と指導を貴けたオバースカイア家はコアミアを支配し続けた。
エイズーンIV世王の治世において、コアミアはその頂点に達した。エイズーンは1336DR年に戴冠した。彼の有能な支配の下、何年にも渡って繁栄が続いた。王室魔道士ヴァンジャーダハストの知恵がそれを補佐した。コアミアはさらに強力になった。その力と影響力は増大し、人ロは増え、コアミア人は商人や店主として成功し世代を経るにつれて富と知識はいや増した。
エイズーンの治世において、最西部の辺境の定住が本格化した。国境紛争でセンビアは撃退された。ストーンランズでゼンタリムがその勢力を増大させたため、それに対する侵略が行なわれた。ティルヴァートンは保護領として占領下に入った。デイルズに対して恒久同盟が提案された。お隣のセンビアのきらめく富には決して及ばなかったものの、コアミアの強さと安全は広範囲に渡って妬まれることになった。エイズーンによる治世の最後の2年間において、コアミアの平和はついに破られた。作物は病気で駄目になった。何世紀にも渡ってコアミアでは見られなかったオークとゴブリンが、大挙して侵略してきた。オバースカイア家の旧敵が、悪の魔法によりガズネス(ものすごい力を持ち魔法を吸収する、翼を持ったクリーチャー)となって甦リ、国を引き裂いた。コアミアは戦争に突入し、敗北に次ぐ敗北を喫した。北方の辺境には、ゴブリンの城が建てられた。ヴァンジャーダハストは行方不明になった。巨大なワームであり"デヴィル・ドラゴン"と呼ばれた、"レッド"ナラヴァローサトリルがガズネスと共同戦線を張った。エイズーンと、彼の好戦的な下の娘である"鋼鉄の王女"アルセアは、ゴブリン類と戦ったがさらなる敗北を喫した。エアラベル市は包囲されたため疎開し、ゴブリン軍に奪われた。何人かの貴族が反逆した。他の者たちは公然と皇太女に反旗を翻した。エイズーンを個人的に尊敬してはいるものの、王家に対してはもはやいかなる忠誠も感じていないコアミア貴族がたくさんいることが、今や明らかとなった。この危機の最後、"デヴィル・ドラゴン"とエイズーンIV世は、戦場で刺し違えた。そしてこの国の最強の戦士、官吏、ウォー・ウィザード、最上級貴族が、たくさん失われた。タナラスタ皇太女はガズネスを撃退したが、子供を産んですぐに亡くなった。この国は新たな王を得た。赤ん坊のエイズーンV世を。現在、アルセア王女が摂政としてコアミアを支配している。有能なフィルフェアリル皇太后が彼女を補佐している。病身のウィザードであるヴァンジャーダハストは、後継者(戦闘ソーサラーであるカラドネイ)を指名して、世界の目から身を隠してしまった。反乱の瀬戸際に立っている貴族がたくさんいる。他の者たちは、追放から戻って来ようと頑張っている。センビアは、密かにコアミアを支配するか、そうでなくとも多大な影響力を得ることに興味を持っている。国が再建されるにつれ、さらなる機会が訪れる。そしてさらなる危険も。