無常なる混沌の忘却界リンボ

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無常なる混沌の忘却界リンボ /The Ever-Changing Chaos of Limbo
外方次元界
解説 リンボは純粋なる混沌の次元界である。何らかの形で制御されていない部分は、4つの基本元素とその化合物すべてがかき回され混ぜ合わされた液体のように見える。火の球、空気溜まり、土塊、波打つ水が優位を競ってぶつかり合っては、別な混沌の大波に飲み込まれていく。それでも、この療気の中には物質界によく似た地形―森や牧草地、廃嘘と化した城、そして小さな島々といったものの断片一が漂っていることがある。
リンボには生きた原住クリーチャーたちがいる。その大多数を占めるのがギスゼライとスラードである。リンポでは、ほとんどの請願者たちは渦巻く混沌の中を漂う、何も考えることのない幽霊じみた球体のような形を取る。 リンポに階層はない。もしあったとしても、それはどれも離合集散を繰り返す、混沌そのものと大差ないものでしかないだろう。階層の識別ともなればく世界最高の賢者たちさえ匙を投げるに違いない。

リンポは数え切れないほどの驚異に満ちている。以下で短く紹介しているのは、そのほんの一例でしかない。この次元界を照らすのは、ラ ンダムに巻き起こる火の元素の光である。ある時は漂う海を通して広 がるかすかな灯火のようにしか見えないがまたある時は太陽に近付き すぎでもしたかのような眩い光となる。ランダムに沸き立つリンポでは、時としてまったく視界がきかない状態になってしまうことがある(たとえば地元素優勢な区域の中など)。だがまた別な時には風元素優勢 な区域が果てしなく広がり、何マイルも先まで視界が利くようになることもある。
リンポには昼も夜もない。
物理的特性 主観的重力方向:重力の強さは物質界と同じだが引力の働く方向は個人個人が選択する。装備中でない物体にとってリンポは無重力だが身につけたり、持たれたり、運ばれたりしている物体は、その所持者と主観的重力を共有する。新来の旅人たちは、この特性に困惑することしきりである。
通常の時間流
元素およびエネルギー特性 なし
属性的特性 重度な混沌属性:属性が混沌でないキャラクターは、【魅力】、【判断力】、【知力】に基づくすべての判定に-2のペナルティを被る。ただし、重度な混沌属性の特性はギスゼライの修道院の壁の内側では無効化される(ギスゼライの"都市"では適用される)。
魔法的特性 魔法の暴走:呪文と擬似呪文能力は、リンボに存在する恒久的構造物の内部や、恒久的に安定化された土地の内側では迎常辿りに機能する。しかし、リンボの制御されていない地域や一時的に制御された地域で使用された、すべての呪文と擬似呪文能力は、暴走してしまう可能性がある。術者は1d20+術者レベルのレベル判定(難易度=20+使用を試みた呪文のレベル)を行なわねばならない。
住人・請願者 スラードとギスゼライはリンポで普通に暮らしている。両者のうち、始めから原住種族だったのはスラードだけである。ギスゼライはずっと後になって移住してきた。ギスゼライはこの次元界そのものを、彼らの不屈の精神に対する挑戦と見なしている。リンポは、「苦痛とは汝の肉体から弱さが消えてゆく証である」という彼ら独特の気風を試す過酷な試練の場でもある。 原住種であるスラードたちでさえ、リンボの制御は旅人たちと同じ方法で行なう。ただし、彼らの制御は意識を失っている時にも途切れることはなく、制御下にある区域が体表をぴったりと覆っている。そのため、傍目にはスラードは火の海の中でも傷つくことなく平然としているように見える。 修道への強い衝動に目覚め、それに従う少数のギスゼライたちはまた、秩序の呼び声にも従う。こうしたモンクたちはリンポの混沌から特に激しい試練を被る。しかしながら、リンポの重度な混沌属性は、ギスゼライの修道院の壁の内側では中和されている。ほとんどのギスゼライは修道への衝動に従うことなく、大都市に集まって暮らす。 リンポの請願者たちは、他の何にも増して混沌を崇めた者たちであ る。多くは刻々と移り変わるリンポの構成要素の一部になり果ててなお存在し続けている狂える霊たちだが、中には次元界のありようを体現すべく来た者たちもいる。
リンボの請願者
遭遇表 奈落の遭遇表
浄福の遭遇表



シュラクトロール ここはギスゼライの最大の都市である。"大ギスゼライ"と呼ばれるファイター/ウィザードの将軍が都市を治め、神王として崇敬されている。
都市は飾り気がなく、いくつもの巨大な鉄の門楼が、同心円を描いて七重に巡らされた市壁を貫くように建っている。壁は高く厚く、花崗岩でできている。その内側にある市街は狭苦しいが自由市場は広々としていて、安定化した大地の産物や、その他のさまざまな品物が魔法と非魔法を問わず所狭しと並べられている。
ゼルスアドラン修道院 数ある修道院のひとつであるゼルスアドランでは、16レベルのモンクであるベルソマイス先生が指導にあたっている。ベルソマイスは(他の修道院と同じく)特殊な格闘技を教えている。彼の教えを心から信奉する弟子たちは、"ゼルス門修道士"と呼ばれる。彼らゼルシィ(ギスゼライ語で"ゼルスの教え"を意味する)を学ぶ者たちが主張するところによれば、彼らの武術の真髄は一瞬先の未来を見通すことにあるのだという。修道院の外観は、小さな広場を囲んで石造りの尖塔の群れが木立のように立ち並ぶというもの。塔は直径約1/4マイル(約400メートル)の球体の周囲に層をなすように建てられている。修道院の内部はリンボの主観的重力方向の特性を活かしきった構造をしており、曲がりくねった階段が"床"と"壁"と"天井"をつないでいる。主観的な空間認識にとらわれない者たちにとっては、あらゆるものの表面が床になるのである。いくつもある広大な広間は、大勢で武術の修行ができるほどの広さがある。
産卵石 産卵石とはスラードの最大の領土にある、彼らの原初の故郷である。スラードの各種族は交尾の季節になると産卵石に集まってくる。雌雄同体であるスラードは石の上で交尾し、互いの体内の卵嚢を受精させる。次に交尾期に入ったスラード種に産卵石から追い払われると、スラードは後で宿主の身体に産み付ける種のような受精卵を宿して去っていく。しかしながら時折、この産卵石で若いスラードが誕生することがある。というのも、スラードは交尾の狂乱の中で互いの身体に卵を産みつけてしまうからだ。慣例上、こうして死んだ成体のスラードは、リンボの混沌に破壊されるまで石の周囲を漂わせておく。
産卵石はあちらこちらに漂っていくが、石からは常に混沌物質の潮流が生じている。スラードはこの潮流を感知し、それを"上流へ"辿って行くことができる。石を占有するスラードが代わる時、この潮流は津波のように大きくなったり、混沌嵐を引き起こしたりする。
非スラード種がやってきた時に備えて、1体のデス・スラードが常時産卵石に警備当たっている。この番人は"石の守護者"と呼ばれ、数レベル分のファイターとソーサラーのクラス・レベルを持つ45HDのデス・スラードである。スラードの信じるところによれば、守護者と勝負して石の制御を奪うことができれば、アナークのパワーを持ったデス・スラードとして生まれ変わる許可を授けてくれるのだという。アナーク級の制御能力をもってすれば、建物や植物や動物を作り出すことができる、望むならまるごと1つ生態系さえも。