「地獄の戦場アケロン」の版間の差分
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||トゥルダニン/Thuldanin | ||トゥルダニン/Thuldanin | ||
| style="width:600px;" |アケロンの第二層は一見、第一層とよく似ている。だがアヴァラスとは違って、トゥルダニンの住人はごく少ない、この層の立方体は窪みや穴だらけである。表面にあいた穴から降りてゆくと、中は迷路のような入り組んだ空間になっている。そこはかつて戦われたあらゆる戦いの残骸でいっぱいである。<br>いたるところに壊れた道具がこれでもかとばかり積み上がっている。真っ二つに割れた大船、覆った攻城塔、巨大な武器、蒸気で動く運搬機械、ありとあらゆる姿の飛行機械、どれほどの力があって何に使うのか見当もつかぬ奇っ怪なからくりじかけ。残骸の多くは作動不可能で、この層の持つ"保存性"の特徴により石化され、石のようにじっと動かない。<br>ここを探って無傷の武器をあさるのを生業にしている回収屋や山師は多い。この地の残骸の中には上物の武器や戦争用具も数多く埋もれているからである。根気よく探していれば面白いしくみや驚異の力を秘めた品物が見つかることもある。うまくすれば使えるし、使えなくても同じものをもう1つこしらえることができるかもしれない。とはいえ、賢明な回収屋はトゥルダニンに長居はしない。物品だけでなくクリーチャーも石のように動かなくなっているのを見ているからである。 | | style="width:600px;" |アケロンの第二層は一見、第一層とよく似ている。だがアヴァラスとは違って、トゥルダニンの住人はごく少ない、この層の立方体は窪みや穴だらけである。表面にあいた穴から降りてゆくと、中は迷路のような入り組んだ空間になっている。そこはかつて戦われたあらゆる戦いの残骸でいっぱいである。<br>いたるところに壊れた道具がこれでもかとばかり積み上がっている。真っ二つに割れた大船、覆った攻城塔、巨大な武器、蒸気で動く運搬機械、ありとあらゆる姿の飛行機械、どれほどの力があって何に使うのか見当もつかぬ奇っ怪なからくりじかけ。残骸の多くは作動不可能で、この層の持つ"保存性"の特徴により石化され、石のようにじっと動かない。<br>ここを探って無傷の武器をあさるのを生業にしている回収屋や山師は多い。この地の残骸の中には上物の武器や戦争用具も数多く埋もれているからである。根気よく探していれば面白いしくみや驚異の力を秘めた品物が見つかることもある。うまくすれば使えるし、使えなくても同じものをもう1つこしらえることができるかもしれない。とはいえ、賢明な回収屋はトゥルダニンに長居はしない。物品だけでなくクリーチャーも石のように動かなくなっているのを見ているからである。 | ||
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||ティンティブルス/Tintibulus | ||ティンティブルス/Tintibulus |
2019年10月21日 (月) 22:26時点における版
地獄の戦場アケロン /Infernal Battlefield of Acheron | |
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外方次元界 | |
解説 | 兵士がアケロンに到着して最初に聞く物音は、戦のおめき叫びである。脱走者がアケロンを逃れるとき最後に聞く物音も同じ。アケロンにあるものは、すなわち争い、戦い、爭い、闘いである。アケロンに居座る軍勢は多いが指導者は少ない。実際アケロンでは理由なき叛乱者はざらにいるのだ。請願者の中にも、定命の者にも、魔物にも、セレスチヤルにも。 アケロンは4層からなる。いずれも空気に満たされた虚空の中に浮かぶ、島か大陸ほどの大きさの鉄の立方体である。立方体どうしが衝突することもあり、ずっと昔の衝突の音カミ今も虚空にこだましている。それに混じって聞こえるのが、立方体のおもてで軍勢がぶつかりあい、剣と剣がうちあう響きである。 アケロンには沢山の神格が住んでいる。死と魔術の女神ウィー・ジャス、オークの神グルームシュ、ゴブリンの神格マグルビイェト、圧制の神にして悪の勇者と自称するヘクストアなど。 次元界ガイド:アケロンの4層を構成する多数の立方体は、衝突をくりかえした結果へこみや裂け目だらけで、戦をくりかえした結果クレーターだらけである。整然たるアケロンの次元界では、立方体が錆びたり割れたりする場合、必ず直線状に、直角にそうなる。立方体には一辺わずか数百フィートのものもあれば1つの都市や王国がすっぽり収まるほど大きいものもある。とはいえ、第三層ティンティプルス以外では、そこまで大きなものは稀である。 アケロンでの視界は通常通り。この次元界は明るくなったり暗くなったりする灰色の明りで照らされている。とはいえ明るさの幅は狭く、明るい月夜ほどの明るさから、暗い曇り日ほどの明るさまで。聴覚も通常通りに働くが背景にいつも立方体のぶつかりあうこだまや、戦の物音があるところが違う。 |
物理的特性 | 客観的重力方向:重力の強さは物質界と同じだが、どちらが下かは立方体のどの面にいるかによって決まる。面と面の間のへりを歩いて越える際、慣れない者は目まいを感じることがある。 通常の時間流 |
元素およびエネルギー特性 | なし |
属性的特性 | 軽度な秩序属性 |
魔法的特性 | 通常の魔法 |
住人・請願者 | アケロンの立方体のおもてを彷徨するあらゆるクリーチャーからなる、雑多な無法の軍勢は、戦うべき敵軍を求めている。とはいえ、どれほど強力な軍事指導者も、いずれは謀叛や狂気に倒れ、たいていの軍勢は真の目的を見失って他の雑軍を滅ぼすことしか頭になくなる。アンデッドや人造クリーチャーの軍勢は比較的長期にわたって存続するがこれは最後に受けた命令を盲目的に守るためである。 完全な狂気には陥っていない軍勢は、まだ何らかの目的を追求している。地域の防衛、物資の獲得、僭王の転覆、等々である。とはいえこうした目的のほとんどは、アケロンを遠く離れた異次元で重要なものであるというにすぎないから、どれほど堅忍不抜の軍勢も、やがては目的意識を失い、無法の軍となりはてる。 アケイライ、デヴィル、インプ、フォモール、ラークシャサ、ドラゴン、ユーゴロスといったものたちも、やはりアケロンに住んでいる。ラークシャサの諸氏族は、アケロン中に数個点在する秘密の立方体を治めている。秘密というのは、いずれも強力な幻術によって姿を隠している から。メカヌスからやって来た機械じかけのクリーチャーも、アケロンの最下部の2層のあちこちに、隠れた植民地を保持している。 最後に、アケロンには無数の鳥の群れがいる。レイヴン(鴉)、ヴァルチャー(ハゲタカ)、ガル(カモメ)、ブラッドホーク、スワロー(燕) などがもはや戦の血なまぐさい眺めにも慣れっこで風`の中を飛びかっている。 |
遭遇表 | の遭遇表 |
階層 | ||
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アヴァラス/Avalas | アケロンの第一層アヴァラスは"戦の原"とも呼ばれている。4層中で最も立方体の数が多く、立方体上の軍勢や砦も多いからである。遠くで立方体のぶつかる音と、近くの戦場で鉄のうちあう音は、もはや聞き分けようもない。立方体の大きさは、都市ほどのものから大陸ほどのものまでさまざまである。小さなものほど古いことが多い。長い長いあいだ衝突をくりかえして、ついに今の大きさになってしまったのだ。 | クランガー シェトリン ニシュレック 神罰城 |
トゥルダニン/Thuldanin | アケロンの第二層は一見、第一層とよく似ている。だがアヴァラスとは違って、トゥルダニンの住人はごく少ない、この層の立方体は窪みや穴だらけである。表面にあいた穴から降りてゆくと、中は迷路のような入り組んだ空間になっている。そこはかつて戦われたあらゆる戦いの残骸でいっぱいである。 いたるところに壊れた道具がこれでもかとばかり積み上がっている。真っ二つに割れた大船、覆った攻城塔、巨大な武器、蒸気で動く運搬機械、ありとあらゆる姿の飛行機械、どれほどの力があって何に使うのか見当もつかぬ奇っ怪なからくりじかけ。残骸の多くは作動不可能で、この層の持つ"保存性"の特徴により石化され、石のようにじっと動かない。 ここを探って無傷の武器をあさるのを生業にしている回収屋や山師は多い。この地の残骸の中には上物の武器や戦争用具も数多く埋もれているからである。根気よく探していれば面白いしくみや驚異の力を秘めた品物が見つかることもある。うまくすれば使えるし、使えなくても同じものをもう1つこしらえることができるかもしれない。とはいえ、賢明な回収屋はトゥルダニンに長居はしない。物品だけでなくクリーチャーも石のように動かなくなっているのを見ているからである。 |
The Mines of Marsellin |
ティンティブルス/Tintibulus | 他の層と違い、ティンテイプルスでは通常の立方体(=6面体)よりも、4面体や5面体や8面体や9面体や12面体といった奇妙な型のもののほうが多い。みな灰色の火山岩でできており、厚さ数インチ(所によっては数フィート)の塵灰に表面を覆われている。衝突が起きると、この幾何学的立体は元々あった断層に沿って割れ、より小さな2個の立体に分かれる。衝突は絶えず続いており、ためにティンティブルスは常住不断、鐘のような大音響に満たされている。ここに住むクリーチャーは、請願者であると否とを問わず、ごく少ない。 不断の大音響のため、ティンティブルスでは、キャラクターは〈聞き耳〉判定に-4の状況ペナルティを受ける。 |
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オカントゥス/Ocanthus | アケロンの第四層に光はなく、剃刀のように薄い"かけら"が空中を高速で飛びかっている。かけらの中には針ほどのものもあればく数マイルにわたるものもある。最も大きなかけらは、上の層の立方体と同様、自前の客観的重力方向を有する。また、氷のように冷たいが、とにかく呼吸可能な大気もある。絶え間なく荒れ狂う、刃のような"かけら"の吹雪のため、オカントゥスはクリーチャーにとっても物品にとっても過酷な場所である。 この"かけら"の実体は黒い氷であり、凍結して薄い層をなしている。ぶつかりあって次第に小さなかけらになり、やがて針となり、塵となる。かけらはみな1つの源に端を発する。それがオカントゥスの境界をなすもの、魔法のこもった、夜のように黒い無限の氷層である。 氷層の下にもっと深い、もっと邪悪な層があるのかどうか、それは誰も知らない。一説によればくこの氷こそステュクス河の源泉にして終着点であり、河が奪い去ったすべての記憶が黒い氷のなかに在るのだという。真偽は知らず;ともあれ氷層は客観的重力方向を有している。あるいはこの氷層もまた、オカントゥスの境界と見まがうほどに大きな単なる黒い氷のかけらに過ぎぬのかもしれない。 |
カバル・マカブル |
クランガー | クランガーの立方体は、一面穴を掘りうがたれている。ゴブリンの国々のため、彼らが続けている永遠の戦争のため、巨大な兵舎群を収めるようになっているのだ。ゴブリンの神格マグルビイェトの御座もここにある。 クランガーの塔や城壁は、みな敵雨に最大の打撃を与えるよう、恐るべき精密さで設計されている。空気は冷たく乾いており、吐く息が白くなる。ゴブリンの兵舎でない場所は、精鋭ゴブリン騎兵用のウルフ(狼)の柵になっている。クランガーの軍勢の大方はゴブリンやホブゴブリンの請願者なので、食糧の備蓄はそれほど必要ない。とはいえ、定命のものやウルフその他のクリーチャーもいるので、彼らのために警備厳重な店がいくつかある。この連中はかなりの大金で雇われて、これまた警備厳重なポータルを抜けてここまでやって来たのである。 |
シェトリン | シェトリンの要塞は、立方体上の金属を彫っで作った他の建物にまぎれて目立たない。大河ローファングがこの要塞を貫いて流れており、河を渡るには5つの頑丈な橋がある。河は泉を水源とし、流れること数マイル、再び立方体の地下に流れ入る。滝となって流れ落ちる底、見るも見事に堀り抜かれた鋼鉄の洞窟は、湿って滴がしったり落ちている。そこにはマグルビイェトその人が住んでいる。ゴブリンたちは、大攻撃に出る前には滝の上から神への生け贄を投げ落とす。大攻撃の目標はオークのパンテオンがある、ニシュレックであることが多い。 |
ニシュレック | オークのパンテオンはこの金属の立方体にある。パンテオンの主神はグルームシュ、オークたちの崇める一つ目の神格である。アケロンの"軽度の秩序属性"は、ニシュレックでは無効化されている。 クランガーと同様、ニシュレックも一面穴を掘りうがたれオークの大軍勢の住みかとなっている。 しかしクランガーとは違って、兵舎の並びかたはまったく混沌としたもので、トンネルも盛大に曲がりくねっている。クランガーは遠くから見ると四角の集まりのようだが、ニシュレックは曲がりくねった町並みや塑壕だらけで、その中に要塞がいくつも、できものか何かのようにバラバラに点在している。 |
神罰城 | ヘクストアの治める"神罰城"は、いつでも激しい戦の続く、特に大きな立方体のおもてにある。ヘクストアの城は鉄と石でつくられ、多くの城壁を有する巨大な建造物である。そこには見張り塔が林をなし、攻城兵器が徘徊している。最も内側の建物は"大闘技場"と呼ばれる。これは幅数マイルに及ぶ、何階もの闘技場で、打ち延べた青銅とガラスでできている。中ではいくつもの軍団力蒲に戦の技術を磨いている。ヘクストアそのひと(あるいは彼のアヴァターかもしれない)も、灰色の肌をもつ恐るべき六腕の存在として、さまざまな武器を振り回しつつ訓練用の闘技場に姿をあらわす。ヘクストアの憎悪と不和のしるし、下向きに扇状に広がる6本の矢を見ただけで、信者たちは血に飢えた戦の狂乱に入るのである。 |
カバル・マカブル | 死と魔術を司る魔女神ウィー・ジャスの領土は、ここオカントゥスに在る。黒い氷層のおもてに佇む水晶の宮殿は、優美ではあるが恐ろしい建物である。その名をカバル・マカブル(死の集い)という。みずから青白い無情の輝きを発し、この漆黒の層のなかで、唯一の光となっている。近づいて仔細に見れば、この精妙な城の半透明の外壁は、多元宇宙のあらゆる種族の骸骨をかたどった、無数の氷の像から成る。 カバル・マカブルの中にあって、ウイー・ジャスは多くの次元界からさらってきた術者たちに試練を課しているがこの試練を潜り抜けた者は誰もいない。失敗した者には女神がみずから死を与える。女神の信者の多くは、これを大いなる名誉と見なしている。 とはいえ、女神はほとんどの時を城外で過ごし、黒い氷層のうえを歩み、思いの力で氷をふるいにかけて、失われた魔術や死の記憶を求めている。女神の歩く所から1/4マイル以内では、オカントゥスの間断ない刃の嵐も一時止む。 |